あなたはブレーキ派?リーシュ派?

スキーのBindingの話「その2」である (「その1」はこちら

書こうと思ったけど,もう,ほとんど結論が出ているような気がする.

「登るならリーシュ,ゲレンデならブレーキ」

                                     以上

 

はじめに

スキーには,ブレーキというモノが付いている.スキーが外れた際,バネで金属のブレーキが突き出て雪に食い込み,スキーがストップする機構のことだ.ゲレンデで使うスキーには100%付いている.これがないと,スキーがミサイルのように飛んで行ってしまうので,危ないのである.

山スキーの場合,ブレーキを付けない場合が多く,その代わりにスキーに紐(リーシュコード)を付けてブーツに結び,流れないようにする.

DynafitのTLT Bindingの場合,ブレーキの重さは122g程度(片方)と言われている.ビンディング全体の重さが531g(片方:TLT Radical STの場合)であることを考えると,“かなり重い” というわけである.

当然,「外した方がいいよね」となる.しかし,海外のサイトを見てみると,ブレーキを付けて登っている人が結構多い気がした.それに,RadicalのST/FTのブレーキ無しモデルが無い事から,もしかしたらブレーキを付けておくのが,世の主流なのかも? と思って,調べてみた.

 

一般のコミュニティーを覗いてみると

Dynafitでブレーキって付けてる?
http://www.tetongravity.com/forums/showthread.php/217419-Dynafit-with-without-brakes

・今はブレーキ使ってるけど,登りから下りの転換の時に板をロストしないようにリーシュ付けるので,今後,ブレーキは外そうと思ってる.
・雪崩にあった時や,外れて顔に当たったりして危ないのでリーシュは使ってない,下りに転換する時に流さないように注意すればいい.春夏の氷河を滑るときはリーシュ使う.
・滑降モードの時しかブレーキが効かないので,(リーシュ無しの場合)スキーを外すときに,滑降モードになっているかどうか,いつも気にしていなければならない.基本的にDynafitのブレーキシステムでは,スキーをロストすることに神経を使うことを必要とする.
・ブレーキレスでツアーに行くことは(使い慣れたリーシュつけるなら)それは大した問題ではない.リゾートスキーなら,ステップインしやすいし,ブレーキありの利点は大きいのでは?
・自分はブレーキレス派です.BCの深雪でスキーをロストしたら見つけるの難しい.それにブレーキがヒールセッティングの邪魔をする(satoruj7′s notice: ブレーキを押して回転させなければならないため?) リゾートスキーなら,ブレーキをつけるのが便利かもしれないけど.自分は,Dynafitのリーシュは使っていない.細いコードをtoeピースにループさせて,G3のテレマーク用リーシュを
ブーツのバックルにつけ,toeピースのループにクリップさせている.
・何年か前にブレーキを使うのをやめました.ブレーキつけると重くなるから.B&Dのクリップワイヤーリーシュを使ってる.パウダーを滑るときは何もつけない (satoruj7′s notice: B&DはTLTのアクセサリなどを作ってるガレージメーカー)

云々

やっぱり登りメインの人はブレーキなど使わないみたいだ.

 

プロガイドの意見

これは,丁寧に書かれた文で,参考になった.ただしプロの人の場合.

Are Backcountry Brakes & Leashes Necessary?
(山ガイドJoe Stockの場合)
http://www.spadout.com/a/are-backcountry-brakes-leashes-necessary/

流してしまったスキーが人にぶつかって(切り裂いて)危ないから,ゲレンデでブレーキかリーシュを付けるのは当然のことだ.
山スキーで問題になるのは,流してしまったスキーが1000フィート下っての谷底に落ちるか雪の塊に突き刺さることだろう.問題は,その後パウダースノーの中をスキーを失った状態で,進んでいかなければならないということだ.

スキーが暴走しないようにブレーキを付けることは手軽だ.だがその重さが問題だ.G3 ONYXのブレーキは9.7ozある.Dynafit TLTのブレーキも8.6ozあり,これらの重さが足に加わる. 背中の1オンスは足に付くとポンド相当である などと言われている???(As they say: an ounce on your back is a pound on your foot) (satoruj7′s notice: 足に付いた重さが16倍くらい重く感じるという意味だと思われる)

スキーリーシュは,より軽くするための手軽な代替手段だ.スキーとブーツを繋ぐ紐なので超軽量にできる.G3 Plastic Ski Leash (0.7 oz)や,simple like the Black Diamond Ski Leash (1.6 oz),またはheavy like the G3 Metal Ski Leash (2.7 oz)などがある.特にB&DのSki & Board leash (3 oz) はコイル状のケーブルを持ちクリッピングを外さないで取り外すことができる.(satoruj7′s notice: また出てきた!B&Dのリーシュ

ただリーシュにも問題点はある.強力なリーシュは,トマホークのように自分の周りをスキーが舞うし,雪崩の中ではアンカーになってデブリの中に埋まってしまう.

リーシュとブレーキはバックカントリーで本当に必要ですか?私は ガイド仲間とよく議論する.なぜ我々がThongリーシュを選択るのかも.

Thongリーシュはビンディングのストリングループとブーツのストリングループで,これらを小さなbinerで接続する.普段はこのループを使わないが軽いから付けておいても問題ない.硬い雪や深いパウダーの時,このループを接続する.
(satoruj7′s notice: 革紐?!でブーツとビンディングにループを作っておいて,これらをBinerで接続するってことみたいだ.要は こんな感じらしい ループとループを接続するやり方とちょっと違うけど似た感じだと言ってる )

-中略-

スーパーで売られているmini biner は,スキーを繋ぎとめるのに十分な強度を持っている.重要なのは50ポンドの付加でこのシステムの一部が壊れるようにすることだ.いろいろ試してほしい.

結局,機能と効果,安全性のトレードオフだ.ブレーキもリーシュもThongリーシュも有効だが,私は95%の時間はどれも使ってない. 残りの5%の時間にThongリーシュがスキーを飛ばしてしまうことを防いでくれている.

 

よくわからない部分も多いが,なんとなくわかった.

 

自分としては

ブレーキなし&リーシュで 2シーズン滑ってみてそれで問題がないので,Dynafitのブレーキも外したまま,2度とつけることはないだろうと思っている.

ブレーキを付けたくない理由

  • 重い
  • TLTはWalkモードにするとブレーキが効かなくなるし,ブレーキでスキーが止まらない斜面は普通にあるので,山でリーシュを付けないのは不安 → リーシュ付けるならブレーキは不要
  • Dynafitのブレーキは脱着が容易ではない → 外したら最後,2度と付けることはないだろう

 

リーシュの問題点について

  • 跳ね返ってきて顔に当たったりすると言われている.実際にキッカーでクラッシュしたこともあるが,普通は板の方が体よりも下に滑って行くので,相当,変な転び方をしなければ問題ないのではないかと思う.G3 ONYX純正のリーシュは(ちょうど前述のB&Dのリーシュとそっくりなのだが),いい感じに伸びる(そしてちゃんと元に戻る)ので,扱いやすい.それに切れる心配も無く,GOODだった,ただし少し重い気がするけど.
  • 雪崩に巻き込まれた時,アンカーになって危ないと言われている.Joe Stock氏の言うように切れやすいリーシュを用意しておくしかない気がする.ただし,50ポンドで切れるリーシュは,クラッシュして板が外れたときに運が悪ければ切れてしまう可能性もあるのではないかと思う.ここはもう,トレードオフと考えるしかないのだが,雪崩に巻き込まれている時点で,リーシュがどうこうという問題ではない気がする.そういう斜面は絶対に避けなければいけない.特に素人は.

 

その他

  •  Dynafit TLT Radical ST/FT のブレーキを,勝手に外してもいいのだろうか?(パフォーマンスや強度に影響は無いのだろうか) という疑問は解消できなった. ぜひメーカーの人に聞いてみたい.なぜブレーキレスのラインアップが無いのだろうか?ということも.

 

結論

TLTはせっかく軽いのにブレーキを付けるのは勿体無いし,システムとしてもイマイチ
リーシュの方が軽くできるし,機能も満たしている.
雪崩の危険がある場所では切れやすいリーシュという方法もある.

以上

 

11月12日 追記

2012年-2013年モデルのDynafit Radical ST / FT は、仕様が変更になり、

ブレーキを外すことができません

http://www.wildsnow.com/8470/radical-dynafit-brake-removal/
http://www.tetongravity.com/forums … Dynafit-Radical-130-Brake-Removal

現在調査中

  • 物理的には外すことが可能 (ただしヒールのマウントを完全に外す必要がある)
  • Anti-twistの機能がブレーキについてるので、ブレーキを外すと「歩行モードの時、勝手に滑降モードになってしまう問題」が生じる

Dynafitユーザーのコミュニティーも騒然としている様子です。

 

個人的には

 「こんな蟹みたいなの付けて登りたくないんだけどっ!」

と叫びたいです。

 

しばらくは、そのままにして、様子を見ることにしました  

B&Dが20gくらいのAnti-twistアタッチメントを作ってくれると信じています (それはまだありません)

 

 

Dynafit TLT Radical (Vertical) STとFTの違いは?

スキーのBindingの話「その1」である

はじめに

ここ数年,山スキーの道具は飛躍的な進歩を遂げている.
その中核にあるのがDynafit社が開発したTech Bindingシステムである.

なにそれ ↓これ
http://www.youtu.be/4r1omu39GMg

 

ワタクシ,TLT導入します

スキーで山を登るようになってから3シーズン目になる.

★2009年 アルパイントレッカーで山を歩いてみる
★2010年 Genius+ONYX のセットを入手
★2011年 Genius+ONYX でONYXのヒールピースを破壊

そして★2012年 今年はG3社 ONYX を離脱して
Dynafit社のTLTビンディング Radicalに乗り換えることを決心した

今思えば,最初からTLTにしておけばよかったと思う.
しかし,当時の感覚から言えば,ファットスキーにTLTをつけることは
かなりの心理的な抵抗があった.

しかし,時は流れ,今はそれが普通になった.

既にTLT付けてるGenius乗りがいること→la gaya scienza
そして,去年ちょっとだけ借りてその軽さに感動した“sporten flayer”の重量が Vector GlideのGeniusと同じくらい(計ってないけどおそらく2.3~2.4kgくらい)だったという事実を知ったのが決定打になった.

本当は,GeniusにDynafit Radical Speed を付けたかったのだけど,SpeedとST/FTでは破壊強度に違いがある(アクタスの人)ということだったので,FTかSTにすることにした.

STかFTか? まだ迷ってる

STの方が軽いので,STにしたいとは思う.
ただ,FTにしなかったことを後悔することになるかもしれない.

 

本題:Dynafit TLT Radical (Vertical) STとFTの違いは?

スペックから考察する.

その違い(利点)

FT

  • フロントピースとリアピースをつなぐプレートが付いている.
  • →ブーツ下の部分の板のしなりが強くなる.
  • 開放値(DIN)が最大12(STは最大10)

ST

  • 68g(片足)軽い
  • 1万円ほど安い

 

自分は,今のところはSTを選択する可能性がかなり高い

STの方がいい理由

  • 軽い

FTじゃなくていい理由

  • Geniusの板を見るとプレートなど不要だと確信できる.
    これは間違いないと思う
  • 開放値10以上は,使わないとは言い切れないが本来であれば使わない
    激しい滑りで板が外れることは織り込み済みだが,
    その滑りで足や膝がダメージを受けることは絶対にあってはならないから

 

 

日本語の情報は少ないが,海外のコミュニティーでは
何度か議論されているようだ.
(ただし,2007年-2008年の話題なのでVertical FT/ST の話)

(原文)http://www.14ers.com/phpBB3/viewtopic.php?f=4&t=27887

・STとFTの違いは単にリテンションスプリングの強さの違い
その開放値が必要かどうか,ただそれだけ
・バックカントリーでは前十字靱帯の損傷が深刻だということを忘れるな.Toeピースのロックは開放値と関係ないので,板を外すとヤバイ地形だと確信できる時だけロックせよ
(satoruj7′s notice : つまり,無理に高い開放値にするとヤバイよってこと?)
・FTのスプリングは硬く,ワッシャーが入っている. 設定した開放値よりも0.5高い設定が,本来の開放値に近い気がするので, 10か11を使いたければFTがいいのでは? あとはマージンが必要かどうか.しかし,これだけは言っておくが,DukeやBaronのように滑ることはできないよ.リゾートスキーでFTとSTのいろんな部分を壊してしまった.だから今年はリゾートスキーではBaronを使う予定
(satoruj7′s notice : Duke/BaronはMarker社のツアービンディング)
・30ftのキッカーをスイッチで飛べるようにデザインされているって言ってたような気が...
・↑ 重心がぶれず真ん中に乗ったままソフトランディングできないとしたら,180や540はやめておいた方がいい
・270や450や630のスイッチランディングなど話題にしてないぜ.軽さが重要だろ?10時間の登りの後, Humboldtの頂上から2800フィート降下するんだから.ワイルドだろぅ.Hardな登りやってないから軽さに注目しないんだろう.
・ブレーキ壊れたし スイッチランディングでc-crampが壊れた hogehoge
(satoruj7′s notice : もはや何言ってるかよくわからず,とにかくパーク野郎と山野郎の話が噛み合ってないが,楽しんでいるようだ)
・STとFT両方持ってるがSTはジャンプターンの時に誤開放した.FTだったら(誤開放は)起らなかったんじゃないだろうか.どっちにしても板を落下させられない状況では無開放モードにするけどね
(satoruj7′s notice: no-fall terrain とか must-not-fall situation とかの表現が,ちょくちょく出てくるけど,“板を落としちゃダメな地形/状況” みたいな意味?)

 

(原文)http://www.tetongravity.com/forums/showthread.php/214207-Dynafit-FT-vs-ST-Why-the-huge-difference

・STとFTの耐久性は同じ.プレートは耐久性に何も関係が無い.DIN10以上が必要でないならST
・STとFTの重量はそれほど変わらないよ.

 

satoruj7の個人的な考えとしては

ゲレンデ使用のスキーでは壊れることが普通にあるようだ. が壊れたらその時はその時だ.やっぱりキッカーとか飛ぶのはあまり適していないだろう(多少は飛ぶつもりだけど).1月中旬に毎年やらなければならない“横倉チャレンジ” (自然コブ耐久レース)がいいテストになるだろうと思っている.

 

DynafitのTLTビンディングについて.もっと知りたければ ↓にいろいろと書いてある.
http://www.wildsnow.com/bindings/dynafit-backcountry-skiing-bindings/

 

STにするかFTにするかは.もう少し悩んでから今月中に石井スポーツに注文しに行く予定.

今年も大きな出費

Dynafit TLT Speed Radical + Dynafit TLT Radical ST or FT
で10万円コースか...まあ,今年は,がんばって抑えた方だ.
ONYXを売れば多少は足しになるだろうし.

 

次回は   “あなたはブレーキ派?リーシュ派?” について考察します.

 

それではまた